|
2009年10月16日(金)
会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス
講師:小野 久江 関西学院大学 文学部 総合心理科学科 教授
同窓会西日本センターと大阪梅田キャンパスの共催講演会として「社会人のメンタルヘルスケア〜現代人のうつを考える〜」が開催されました。
近年、テレビや書籍など様々なメディアでも多く取り上げられている「うつ病」。その実態についていくつかの症例を交えながらご講演いただきました。
日本の自殺者数は1998年から11年連続で3万人を越えており、その総数のうちの約60%はうつ病に関与しているというデータがあります。その中でも近年急増しているのが中高年、働き盛りの男性の自殺者です。中高年男性は、基本的に仕事熱心で真面目であるという「うつ病の病前性格」を持つため、うつ病に関して好発年齢であるといえます。だからこそ、他人事とは思わずにうつ病について知ってもらうことが必要となります。
うつ病の早期発見については、日常生活や職場などで特徴として現れる症状を見逃さないことが重要です。『好きなものが食べられなくなった、ぐっすり眠れない、人付き合いが面倒になった、同じネクタイを連日つけていても平気・・・』など、一見小さなことだと思われがちですが、自分からのSOSサインとしてしっかりキャッチし、医師に相談することで予防することができます。
また、一方では「うつ病の診断が患者に疾病利得を生む」という問題も起こっています。「うつ病が休息第一である」ということから仕事が堂々と休めたり、「うつ病は頑張ってはいけない」ということから嫌なことはしなくていいと理解されたりなど、「うつ病」の診断が、ストレスや現実からの逃避を可能にし、精神的な成長の妨げとなる場合があるのです。
こころの病は複雑で、万人に通用する治療法を見つけるのは難題です。しかし自殺者数を少しでも減らすためにも、まず「うつ病の特徴を知って、早期発見、適切な治療を受けることが大切」と最後に締めくくられました。
|