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2009年8月5日(水)
会場:関西学院大学大阪梅田キャンパス
講師:廣瀬 典生 関西学院大学 法学部 教授
同窓会西日本センターと大阪梅田キャンパスの共催講演会として「オバマ大統領誕生とアメリカ社会−アメリカ人の人種意識の変遷から学ぶ−」が開催されました。
アメリカ合衆国初の黒人大統領として脚光を浴びているバラク・オバマ氏。彼は、黒人からの支持はもちろん、youtubeやfacebookといった規制枠に縛られないネットを活用した広報戦略で、若者からも人気を集め見事選挙に勝利しました。今回の講演会では、その存在の背景にある「人種」の概念や、人種意識の変遷についてお話いただきました。
黒人に対する人種差別は、誰もが知っている問題です。そういう話題に関しては、大抵被害者である黒人側に焦点をあてられることが多いですが、今回は白人の立場からの考え方もいくつか取り上げられました。
その中の一つとして紹介された、1995年に起こった「黒人少年を白人がリンチ」という事件。
事件の内容は、シカゴから来ていた少年が、雑貨店で白人経営者の妻に向かって口笛を鳴らし、これが夫の怒りを買い、就寝中に連れ去られ、数日後、激しい暴行の末に頭部を撃ち抜かれた死体となって近くの川で見つかったというものでした。
残虐な事件の裏にある、殺害の理由は「妻が黒人に口笛でからかわれたのを放っておいたとしたら、周りからどう思われるか不安だったから」。
そんな理由で人を殺すのかと思うと同時に、人種差別は社会の根幹まで侵食していて、被害者と同じく加害者である白人も心に闇を抱えて苦しんでいたということを知りました。
講師の先生も、「差別主義者は自分のことを憎んでいるパターンが多い」と付け加えられました。
人種差別と聞くと、「以前に比べるともうほとんどないのでは?」という印象を受けがちですが、今なお傷跡の残る問題です。オバマ大統領でさえも「わたしたちはひとつの国民だとは言ったが、人種問題はもうないとほのめかしたわけではない」と述べているように、残念ながらすぐに一掃することのできるものではありません。しかし黒人大統領が誕生したという事実から垣間見える希望はあるのではないでしょうか。
最後は、クレヴグールの著書『アメリカ農夫の手紙』からの一節を引用して「オバマがこの世界に偉大なる変化(great changes in the world)をもたらすでしょう」としめくくられました。
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