関西学院同窓会会長挨拶


関西学院と共に

村上 一平  同窓会では同窓生一人一人が関西学院を支えるために年間1000円の寄付を一生続けようという運動を進めています。我々の思い出の詰まった母校が永遠に維持発展を続けていくために、母校と最も近いところにいる同窓生が心情だけでなく目に見える経済的支援をしようとして昨年から始めました。

 私学は今ほどその存在意義を問われ、本来の責務である教育、研究の充実、向上を求められている時はないと思われます。というのも人口減少に伴う高校生減少という環境下で、私学を含めた諸大学に対し様々な大きな課題が投げかけられ、その解決を迫られているからです。具体的には入試制度の改善、奨学金制度の充実等教育の機会均等やグローバルに活躍可能な人材提供、更には高齢化に伴いますます必要とされる生涯教育等社会的ニーズへの対応、そして国内外から寄せられる大学教育の質の向上に対する要請や課外活動を含めた多様かつ独創的な教育による多才な人材育成への期待等その課題は多岐に亘っています。ですがよく考えてみるとこれらの課題に最も応え易い立場にいるのは“Mastery for Service”や“World citizen”等、時代を超え、国を超えて尚色褪せない普遍的な建学の精神、教育の理念を堅持している関西学院のような私学ではないでしょうか。

 しかし、一方でこれら諸課題はいずれも財政的裏付けがなければ解決困難なことばかりです。しかも現在の社会環境を考えると授業料等学費の引き上げは容易ではありません。だからと言って諸課題を放置、先送りするとその大学は世の中の流れに取り残され、じり貧に陥ることは明らかです。今日我が国の大学、中でも収支均衡を自ら図らなければならない私立大学は母校関西学院を含めこのようなジレンマの中に置かれているのです。

 差し当たって関西学院の財政状態に問題がある訳ではありませんが、課題解決のため収入増を図らなければならない時に学費収入に次いで大きな財政的支えである文科省の大学助成金予算が国の財政事情を理由に減額されることになりました。今の財政事情を考慮すると今後更に減額されこそすれ増加することは考えられませんから、この部分を含め対応を考えなければならなくなったのです。

 私たちが学んだ懐かしい関西学院がその建学の精神、教育理念を堅持し続けることで将来に亘って社会に必要とされ、後輩たちが連綿と続く、そのような母校になることを願って冒頭の寄付活動を始めました。「母校通信」春号に封入された振込依頼書を利用し、毎年一度1000円のご寄付にご協力頂き、そのことでわれわれ同窓が母校関西学院を支えている証とすることが出来ればと考えています。

 

2017年2月